金融系の僕

金融系さらりーまんのライフスタイルブログ

マンガで自由研究のすすめ「はだしのゲン」に学ぶ戦争と原爆

小学校の自由研究のテーマにマンガをすすめる!

子供が喜ぶ体験や実験型の研究もいいけど、物事を考える研究は時代にあっているとも思う。そして8月も中旬になり自由研究が進んでいない人にはなおさらだ。マンガなら読むのも苦ではないだろうし1日あれば読み終えるだろう。

今マンガは日本を代表するコンテンツだ。なぜ日本のマンガやアニメは世界に人気なのか等、いろいろな角度から研究ができるが今回おすすめするのは「はだしのゲン」だ。夏休みに迎える終戦記念日にあわせテレビでも「火垂るの墓」など戦争を題材にしたアニメが毎年放映される。

研究成果は「戦争は2度と起こしてはいけない」そう思えただけでも成功だと思う。

 

はだしのゲン」は作者中沢啓治が、子供に戦争と原爆とはを分かっていただきたいと念じながら描いた漫画です。第一巻では被ばくした自分の実体験から始まり作品の登場人物に実際の兄弟の名を使うなど「はだしのゲン」に対する強い想いがあった事がわかります。

中沢啓治は晩年に「好きなマンガを書いて、食べていけたんだから、こんな幸せなことはない、「ゲン」は俺が死んでも残る。「ゲン」が世代を超えて歩んで行ってくれれば、それだけでいい」と言葉を残しています。

子供達が「はだしのゲン」を読み、感じ、考える事は被爆した作者の気持ちに応えることになるはずだ。

 

余談だが子供の頃に映画「はだしのゲン」を母に連れられ見に行った際に、映画館で売っていた漫画を買ってくれた。戦争を体験した母も僕に伝えたい思いがあったんだと今は思う。

単行本は全10巻あり、1巻は戦時中・原爆投下までの話で「戦争とは」を深く考えさせられ、2巻目以降は原爆投下・終戦後の苦難の生活の話で「戦争の後について」知ることができる。

 

1巻でのゲンの父親大吉から学ぶ戦争反対を紹介する。

 戦争は不幸になるだけ

 ゲンの父親「大吉」は非国民と罵られながらも戦争反対を口にする。竹やりでアメリカに勝てるのか?資源の少ない日本は平和を守り世界と仲良く貿易をしなければいけないと言い放つ。しかし軍国主義の日本で戦争に反対することは許されない、日本は戦争に負けない、お国のために戦う事が正義だった。大吉は警察に連行され暴力を受けてもその信念は変わらない。そしてゲンと進次に語り掛ける「自分が正しいと思った事は安っぽく曲げちゃいけんぞ」と。

戦争を防ぐ方法

ゲンの家の裏に住んでいる朝鮮人の「朴」は戦争に反対する大吉を尊敬し中岡家に好意を持っている。しかし世の中は朝鮮人をバカにしゲンは一緒にいるとバカにされると言ってしまう。そんな中、大吉はゲンに「朝鮮や中国の人みんなと仲良くするんだ、それが戦争を防ぐたったひとつの道だ」だと話す。戦争で勝利した日本は朝鮮や中国から人を連れてきて過酷な労働をさせていた。飯も与えず死ぬまで炭鉱で働かせる。北海道の寒さの中死ぬまでコキ使われる。軍人が政権を持し軍国主義になると恐ろしいことになりかねない。

 戦争はすぐ終わらない

戦争に反対し非国民と言われる大吉、非国民の家族ということで長男の浩二は職場で起きた火事の犯人の疑いをかけられ暴力を受ける。浩二は非国民と罵られるのが嫌になり家族の反対を押し切り海軍へ志願する。

 自分の子供が戦場へ行く。浩二が生まれた時「バンザーイ!バンザーイ!」と大喜びし、夜中に熱を出せば大雪が降っている夜中に病院へ連れていき子供の無事を祈った。戦争で簡単に命を無くすために育てたわけではないと悲しむ。親の気持ちを理解できず若者が戦場に向かう、戦争が続く限り犠牲者は増え続ける。

 

はだしのゲンはマンガとして面白いが大人になって読み返すと、とにかく悲しくて切ない話だ。